川瀬和也 研究ブログ

宮崎公立大学で教員をしています。専門は、(1)ヘーゲル、(2)行為の哲学(3)プラグマティズム。英語圏のいわゆる分析系のヘーゲル研究の成果を取り入れながら、ヘーゲルの議論の再構成を目指しています。主要著作:論文「ヘーゲル『大論理学』における絶対的理念と哲学の方法」で日本哲学会若手研究者奨励賞受賞。共著に『ヘーゲルと現代思想』(晃洋書房・2017年)ほか。お仕事のご依頼・ご質問はフォームへ→https://goo.gl/forms/klZ92omOgEvsjcCi1

2021-01-01から1年間の記事一覧

大学での対面授業を再開すべきでない7つの理由

昨年度、多くの大学で対面授業が禁止され、オンラインでの授業が実施された。感染対策には一定の効果があったのではないかと思うが、キャンパスライフが送れないという学生からの不満もあった。ニュースやインターネット上でも議論が起こっていたため、ご存…

読書会における「グラウンドルール」の重要さ

哲学を学ぶ最も効果的で楽しい方法に、読書会を開催することがある。私も多くのことを読書会から学んだ。しかし、読書会はときには失敗してしまうこともある。だんだんと参加者のモチベーションが下がるのがわかるようになり、一人、また一人と集まらなくな…

哲学書はなぜ間違いだらけでなければならないのか

図書館や書店で哲学書の棚の前に立つと、不思議な気持ちになることがある。ここにこれだけたくさんの本があるけれど、ここに書かれていることはほとんどが間違っている。同じテーマについて書かれた、何千円もする重厚な専門書を2冊選んで手に取ってみる。す…

個をないがしろにしない全体論は可能か——『全体論と一元論』というタイトルについて

" data-en-clipboard="true">私の単著『全体論と一元論——ヘーゲル哲学体系の核心』が、今月末に公刊されます。 " data-en-clipboard="true"> 全体論と一元論―ヘーゲル哲学体系の核心―― 作者:川瀬 和也 発売日: 2021/03/25 メディア: 単行本 「買ってください…

フランクファートの根源的洞察

最近はフランクファートの自律論に集中的に取り組んでいるが、ここにはフィヒテ的な反省の問題との興味深い類似があるように思う。 フランクファートにとっての中心的な問題に、欲求のような心的態度が「私のものである」とはどういうことか、というものがあ…